労使協定にない謎の項目で天引き

支給される項目だけでなく、引かれる項目も確認したい。給与から引かれるものとして、所得税や住民税といった税金、健康保険や厚生年金保険などの社会保険料がある。

「このうち住民税は前年の所得に応じて額が決まるので、徴収されるのは翌年から。健康保険・厚生年金保険料も一般的には翌月からです。もし初任給から引かれていたら、経理ミスの可能性があります」

これら法律で決まった控除項目のほかに賃金から差し引く場合は、何に関していくら引くのかを労使協定で決め、それを社員が見られる状態にしておく必要がある。労使協定にないものはアウトだ。

引かれる項目として財形や社宅費、組合費などが考えられるが、ときに謎の項目も。

「ある派遣会社が『データ装備費』という名目で控除を行い、訴訟になったことがありました。ほかに『事務費』『研修費』など、実態がよくわからないものが引かれるケースも。疑問があれば、会社に確認してみましょう」

(図版作成=ライヴ・アート)
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