未納でも取り締まられない

駐車場が足りないエリアでは貴重な駐車スペースになるパーキングメーター。59分以内ならタダで使えるという噂をご存じだろうか。

パーキングメーターの駐車時間や料金(機器維持のための手数料)は機械によって異なり、東京では1回60分300円のものが多い。料金は後払いではなく、「車を駐車枠内に停めたら、はじめに手数料を入れてください」と警視庁のホームページにも書かれている。にもかかわらず、本当に59分以内なら無料で使えるのか。元駐車監視員の駐禁ライター松木和哉氏は実態をこう明かす。

「噂は本当です。駐車監視員はお金を未納のまま駐車している車を発見しても、59分までは取り締まることができません。つまり59分までに戻れば、未納のまま走り去っても事実上はセーフです」

駐車監視員は警察から委託を受けた民間法人の従業員(みなし公務員)だが、59分まで未納を取り締まらないのは立場の問題ではない。駐車監視員は警察と同じルールで取り締まりをしているので、警察官がその場にいても同じ対応になる。では、なぜ59分未納でも取り締まりができないのか。

「パーキングメーターは硬貨しか使えないため、駐車後にドライバーが両替のためにその場を離れざるをえない場合があります。お金の投入口は60分で閉まります。それまでは未納が確定しないので、取り締まらないことにしているのです」