無縁だった教育の仕事が天職に
アジアをはじめ世界各国から過半数の生徒を受け入れ、その全員が国際的な大学入学資格である国際バカロレアを取得できるという全寮制の日本の高校。富裕層に偏らずさまざまな層から生徒を受け入れるため、手厚い奨学金制度も用意した。こうした条件の一つ一つが、ほとんどの場合「日本初」になるという、型破りの学校がISAKである。
実現を夢見て、7年前から仲間集めや資金集め、用地の確保、行政対策、教員のリクルートなどあらゆる仕事に邁進してきたのが、ISAK代表理事の小林りんだ。その活躍ぶりが話題を呼び、12年にはダボス会議を主催する世界経済フォーラムから、世界を引っ張る若手リーダー「ヤング・グローバル・リーダーズ」の一人にも選ばれた。開校を機に、テレビや雑誌などメディアからの取材が引きも切らない。
「りんちゃんは、ほんとに凄いよ」
東大時代からの盟友である鈴木英敬三重県知事や、岩瀬大輔ライフネット生命社長兼COOでさえ舌を巻く見事なリーダーシップ。小林はいまや教育界のカリスマになりつつある。小林自身も、いまの仕事は「天職」だと言ってはばからない。
だが、小林にとって初めから教育が天職だったわけではない。彼女をビジネスの世界から教育界へ導いたのが谷家である。