時間×優先度で、仕事を分類
すでに複数の案件を抱えているにもかかわらず、上司から別件の仕事を指示される。席に戻るとこんなときに限って、電話がひっきりなしに鳴り続け……プレゼン資料の締め切り間近に、突然のトラブルで出張するはめに……。毎日の仕事は、自分に都合よく平準化されることはない。あまりに同時進行の仕事が重なり、パニック状態! そうならないためには、仕事の優先順位を設定することが重要だ。
「ゴールドマンでの新人時代、困り果てている私を見かねた先輩が教えてくれた、目の前のTO DOを整理する方法。これでパニックに陥ることが激減しました」
優先度、完成に要する時間を書き出し、動くべき順番を丁寧に教えてくれたという。それ以来戸塚さんは、仕事が重なったときにはあえて手を止め、目の前のTO DOを整理するように心がけた。これを重ねるうちにできたのが、「優先順位設定マトリックス」だ。
「優先順位の高低で分類すると、すぐにやるべきことが明確化される。次に完成までの時間の長短で整理。こうすることで、たくさん案件を抱えていても、取りかかれば意外にすぐに終わる仕事が多いことにも気づき、冷静になれます」
マトリックス表で、優先度が高く時間を要する(A)の対応からはじめる。締め切りに間に合いそうもないなら、再設定を打診するなど、早めのアクションを心がける。そして時間のかからない(B)に着手。優先度の高い(B)が片付けば、心に余裕が生まれる。次に(A)に戻ってじっくり取り組む。優先度の低い仕事は、この後に取りかかる。短時間ですむ仕事(C)は、ひとつずつ潰していくと気持ちが楽に。そして最後に、時間はかかるが、優先度の低い仕事(D)に取りかかる。
限られた時間の中で、どう冷静に対処すべきか。まずは抱えている仕事を客観的に整理するクセをつけることが大切だろう。
慶應義塾大学卒業後、ゴールドマン入社。5年間勤務後、ハーバード経営大学院に私費留学。帰国後、マッキンゼーへ。2007年、シーネクスト・パートナーズを設立、代表取締役に就任。英語プログラム「CLUB900」(www.club900.jp)を主宰。