折り目の通ったズボンと、磨かれた靴

Getty Images=写真

名刺交換の際にチラリと目に入る、くたびれた靴。折り目が消えかかり、ヒザの飛び出たズボン……。想像するだけでも、「清潔感」とはほど遠い印象を受けるはずだ。

オンオフ問わず、意外に目につくのが「足元」である。昨今の男性のスーツやシャツは廉価なものであっても、格段とデザインやクオリティがアップしている。そのため、もっとも「身なり」の印象に差が出るのが「足元」だと、戸塚さんは言う。

「短期出張で東京を訪れた米国人シニアバンカーの靴が、毎日ピカピカだったのには驚きました。ホテルの夜間サービスを利用しているのか、自分で磨いているか。いずれにしても、手入れの行き届いた靴ほど印象のいいものはありません」

汚れた靴、踵の減った靴、くたびれて型くずれした靴は、それだけで相手に「できない」印象を与えてしまう。

「男性の靴はさほど流行に左右されないので、多少値が張ってもいい物を何足か揃えるのがお勧め。それぞれ週1、2度履く程度にしてグルグル回していくと、最低でも1足10年はもちます」

戸塚さんは、5、6足ある靴を2週間に1度、まとめて週末に手入れをする。もちろん、踵のリペアも定期的に行うという。大事に扱うことで、長いものでは15年選手の靴もあるそうだ。

「新卒時、格好よさに惹かれ、奮発して何足か買った靴。それ以降、あまり買い足すことはしていません。定期的に手入れをして、気づいたら十何年に」

靴と同様、ズボンの折り目にも注意したい。折り目のピシッと通ったズボンとピカピカの靴が、「できる」ビジネスマンの「身だしなみ」なのである。

戸塚隆将(とつか・たかまさ)
慶應義塾大学卒業後、ゴールドマン入社。5年間勤務後、ハーバード経営大学院に私費留学。帰国後、マッキンゼーへ。2007年、シーネクスト・パートナーズを設立、代表取締役に就任。英語プログラム「CLUB900」(www.club900.jp)を主宰。
(Getty Images=写真)
【関連記事】
課長、部長になったらいくらのスーツを着るべきか
服の色は相手の気持ちにどう影響するか
なぜ超一流ほど"二つ折り財布"を選ぶのか
最強の営業パーソンを構成する外見力「ABC」の掟
一流の男と二流の男はどこが違うか