大切なのはスキルより吸収力

では、どういう人が「Y字型人材」になり、活躍できるか。大前提は「やりたいこと」が明確であることです。

人材を活かすためには、その人の能力やスキルといった軸だけではなく、会社のビジョンとのマッチングが重要です。本人がその会社でやりたいことが何かが明確でなければ、どんなに優秀な人でも活躍のしようがありません。逆にやりたいことが明確であれば、人は自ずと足りないスキルを身につけようとしていくし、高いハードルの前でもそれを乗り越えよう、ふんばろうという力が出るものです。

当社を例に挙げれば、「あたりまえを、発明しよう。」というビジョンに反応し、興奮できる人、何か新しい事業をつくり上げたいと強く思っている人がそれにあたります。とりわけIT業界はあらゆる物事のスピードが速いため、求められる技術やスキルが次々に変わっていきます。立ち止まった瞬間に終わってしまう。だからこそ大切なのは、実際の仕事からどれだけ学べるかという吸収力。その吸収力に繋がるのが「自分はこれをしたい」という強い思いです。その思いは能力を超えるものだと私は考えています。

リブセンス社長 村上太一
1986年、東京都生まれ。早稲田大学高等学院、早稲田大学政治経済学部卒業。大学在学中の2006年に同社設立。アルバイト求人サイト「ジョブセンス」など、インターネットメディアを運営。12年10月に史上最年少で東証一部上場を果たす。

座右の銘・好きな言葉:「幸せから生まれる幸せ」
座右の書・最近読んだ本
:『経営者の条件』(ドラッカー)
尊敬する経営者・目標とする経営者
:まだいません
私の健康法
:ストレスを溜めないことを意識する

(稲泉連=構成 大崎えりや=撮影)
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