日本人の礼節と稲盛哲学
日中関係は冷え込んでいても、日本の優れている部分については2人とも冷静に受け止めている。馮氏は初めて日本に行ったときに、清潔さや親切さといった日本人の美徳に触れ、深く印象に残った。
「日本に初めて行ったときには、すごくびっくりしました。すごく清潔で、路上にはゴミがまったく落ちていません。トイレはどこも清潔でした。それに知らない人でもみんなとても親切で優しい。日本語がわからなくてもみんな助けてくれるので、困ることはありませんでした。
それに空港の物価と街中の物価もあまり変わらず、良心的ですよね。あと、日本料理もすごく美味しかった。日本への中国人旅行者は、リピーターがとても多いんです」
また、王氏は日本人の礼儀正しさに驚いたという。
「私が初めて日本に行ったのはもう8年も前のことですが、そのときの印象は今でもよく覚えています。コンビニで100円程度の飲み物を買ったときでも、日本では『ありがとうございます』と丁寧に頭を下げてもらえる。日本人は本当に礼儀正しい。
電車に乗るとかばんを置くための網棚もありますし、いろいろな高さでつかまる場所があるので、子供やお年寄りにも優しい。上海の地下鉄には網棚がないので荷物は自分で持っていないといけないのですが、日本だと細かいところまで気配りが行き届いて、本当にすごいと思います。日本人の他者への誠意ある対応は、相手を敬い大切にする稲盛哲学に通じていると感じています」