>>新さんからのアドバイス

朝型の人もいれば夜型の人もいます。もともと夜型の人が朝5時に起きて何かしようとしてもうまくいくとは思えません。時間の使い方で大切なのは長さではなく密度。早起きをして時間を増やそうと考えるより、自分なりに集中できる時間帯を生みだす工夫のほうが合理的です。朝にこだわらず、自分のバイオリズムに合った集中できる時間帯を1日の中に見つけられればよいのです。

そのためには試行錯誤も必要です。早起きをしばらく続けてみて習慣化できればそれに越したことはありませんし、朝がどうしても苦手であれば夕方までにリカバリーできるような方法を考えてみる。私自身は読書の半分を英語の本にあてていますが、少し堅い本を読むと目が文字を追うだけで内容が頭に入ってこない時間帯もあれば、非常におもしろく感じる時間帯もあります。

このおもしろく感じられる時間帯が、つまりは集中しやすい時間帯なのだと思います。企画を立てる仕事が中心の人であれば、アイデアが湧きやすい時間帯が集中できる時間帯であるということもできるでしょう。たとえ1日1時間でも、自分が集中できる時間、集中のゴールデンタイムを探しだして集中力を必要とする仕事にあてればよいのです。

内藤 忍●マネックス・ユニバーシティ社長

1964年生まれ。東京大学卒業後、住友信託銀行入行。米国MITでMBA取得。シュローダー投信投資顧問を経て、99年マネックス証券入社。2004年マネックス・オルタナティブ・インベストメンツを設立し、05年11月より現職。資産運用に関する著書多数。
田島弓子●ブラマンテ代表取締役

1967年生まれ。成蹊大学卒業。IT業界専門の展示会主催会社などを経てマイクロソフト日本法人に転職。在籍中、個人、グループでアワードを2度受賞。2007年キャリア、コミュニケーションの支援を行うブラマンテを設立。著書に『ワークライフ“アンバランス”の仕事力』。
新 将命●国際ビジネスブレイン社長

1936年生まれ。早稲田大学卒業。シェル石油を経て、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどのエクセレントカンパニーにて、社長、副社長を歴任。2003年より住友商事など数社のアドバイザリーボードを務める。近著に『リーダーの教科書』。
(石田純子=構成 相澤 正=撮影)