上位を占める神奈川、埼玉、千葉の学校
3位には昨年の11位からアップした市川が入った。合格者は35人増えて168人だ。ベスト3は私立の中高一貫校が独占した。4位は17位から37人増えて158人になった横浜翠嵐、5位は浦和・県立で157人、6位は湘南で156人、7位は柏陽で155人と4位から7位まではすべて1人差で、首都圏の公立名門校が占めた。上位は神奈川、埼玉、千葉の学校が多く出てきており、東京は9位の国立まで出てこない。
しかもベスト10には東京の学校は1校しか入っていない。これはキャンパスの所在地に関係がある。明治大のキャンパスは、神奈川の生田キャンパスに理工、農の2学部があり、東京都心の中野キャンパスに国際日本、総合数理に2学部があって、いずれも4年間同じキャンパスで学ぶ。杉並区の和泉キャンパスでは残りの文系学部の1、2年生が学び、3、4年生は千代田区の駿河台キャンパスで学んでいる。
神奈川の学校が多いのは、生田キャンパスの影響があると見られるが、都心3キャンパスも交通至便の地にあり、しかも駅のすぐ近くだ。神奈川だけでなく埼玉や千葉からも、通いやすいことが理由と見られる。高校の進路指導教諭がこう話す。
「首都圏の難関私立大の文系は、東京都心にキャンパスが集まっていますし、なかでも通いやすさもあって明治大を選ぶ生徒が多くなってきたと感じます。4年生の就職活動まで考えたら、都心のキャンパスのほうが会社訪問の時に、交通費も時間もかけなくて済むということもあるのかもしれません」
(宇佐見利明=撮影)