トラブル報告、価格交渉、歓送迎会のスピーチ……。オフィスや取引先、接待の場で成功するための話し方を達人に聞いた。
「一生懸命セールスしているのに、なかなか営業成績に結びついてこない」「プレゼンテーションをしていると目の前で眠られてしまい、それが気になってうまく話すことができなかった」――。
こうした悩みを持つビジネスマンは多いはずだ。生まれついての営業マン、プレゼンターという人はほんの一握り。ほとんどの人は場数を踏みながら試行錯誤を繰り返す中で、自分独自の方法を編み出していく。しかし、いまやあらゆる場面でスピードが求められ、悠長なことなどいっていられない。そこで役立てたいのが、先人の知恵や工夫なのだ。
「商談やプレゼンの進め方には、外してはいけないセオリーがあります。私は12年間勤務していた英語教育会社で入社3カ月目にトップセールスになり、その後もセールスコンテストで連続して上位入賞を果たしました。しかし、部下を持つようになると、同じ商品を売っているのに営業成績は10分の1程度の者が少なくなかったのです。何とかしたいと思い、自分の行ってきた商談やプレゼンでの話し方を“方程式”にまとめて教えると、あっという間に部下の成績が10倍になりました」
このように語るのは、プレゼン話し方研究所社長の吉野真由美さんである。昨年の5月末に、東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方にある販売会社のセールスの研修を引き受けたのだが、なんと翌月には過去最高の売上高を達成したそうだ。