「これからのビジネスパーソンにぜひ読んでほしい」――。働き方のカリスマ、リンダ・グラットンさんが紹介する「未来が見える本」。
リンダ・グラットン氏

私は社会学、心理学、人類学、経済学など幅広いジャンルの本を1年間におよそ100冊読んでいます。本選びの基本は、書評を読んで興味の湧く本、本に出ている面白そうな参考文献、世界中の友人から聞いて興味を持った本――の3つです。関心を持っている著者の本はすべて読むようにしています。

では選んだ本をどう読むか。まず最後までパラパラと読み飛ばします。読む価値のある本でない限り全体に目を通すことはありません。読む価値のある本とは、知らないことが書いてあるかどうか、あくまで私個人の考え方で判断しています。知らないことがあれば下線を引きながら、3、4時間で1冊を読み終えます。何冊かは数年に1回読み返しています。今回、ご紹介するのは、拙著『未来企業』『ワーク・シフト』の執筆において参考にした本の中から、ジャンル別にさらに厳選したものです。本は人生やビジネスで抱く疑問の答えを導き出す助けになります。

変化し続ける社会で大切なことは、自分とはどういう人間であり、自分の価値は何であるかを理解し、目標を持つことです。これらの本が未来の自分を導く助けになってくれるはずです。

働き方――出世、転職、ダイバーシティ。仕事の段取りが変わります

■未来企業

リンダ・グラットン/プレジデント社

『ワーク・シフト』で個々人の働き方に焦点を当てたリンダ・グラットンが描く、企業の未来予想図。一個人が働き方の変革に成功したとして、それは大きく移り変わる未来に向けて「半分」の準備ができたにすぎない。残りの半分を担うのは企業の役割だ。グローバル社会において諸悪の根源と批判されてきた大企業こそが、地球規模の困難な問題を解決するために立ち上がる必要がある。旧来の枠組みから脱し、これからの未来にふさわしい新しい経営手法・リーダーシップをそなえたものだけが成長し、これまでにない働きがいを得ることができる。最先端を走る企業の取り組みから、未来の企業に求められる資質を導き出す。