■横展しよう
「よこてん」と読む。文字通り、横に展開するという意味で、トヨタ社内では、ある工場などが持っている優れたやり方・ノウハウを他の工場などに広めたり、逆に他の工場で実施していることを積極的に採用したりすることを指す。
トヨタに官僚的な縦割り的な文化はなく、よいものは自分の部署だけで独り占めしないでオープンにしていく。そうやって横のネットワークを築き、互いに盗んだり盗まれたりしながら切磋琢磨することで高めあう企業風土が昔から存在している。
■カイゼンはマネから
前出の「横展」に近い意味。「カイゼンはまねることから始まる」といわれる。自分たちの工場にいい知恵がなかったら、よその工場に見学に行って「工程のやり方」を見て、そのまま取り入れるもよし、アレンジを加えて使うもよし。
■景色を変えろ
製造現場の管理者などがカイゼンする際の重要な目標の一つ。作業者の一挙手一投足に目を光らせムダがないかをチェックするだけでなく、工場全体を見渡し、モノの配置などをより利便性高くするなどして「景色」を変えるくらいの意識が必要とされる。現状に安住しないで常に変革の心を持て、というメッセージ。
■動かないものは捨てろ
不要なモノをどんどん捨てるトヨタらしい伝統文化を伝える言葉。使うモノと使わないモノを徹底的に分別する際、モノが最近動いたかどうかを尺度とするのがトヨタ流だ。その猶予期間は、1週間、1カ月……。それぞれの部署で基準を設けて、動いていないと見なされれば、廃棄される。
■たまには横着になれ
つとに知られるトヨタの制度「創意くふう」。日常業務で気付いたことなど、こうしたほうがいいといった提案を全社員が簡潔にまとめるもので優秀な案は表彰され(賞金も)、実行に移される。しかし、現場の社員のなかにはアイデア出しすることに身構えてしまいなかなかできない人もいる。そこで、気楽な気分でやってもらうため、冒頭のようなフレーズでやる気を出す作戦を立てることがある。