「男たるもの」の角度を変える

客観的に見れば、保険金額を現状より低く設定し直すことで毎月払う保険料も減るのだから、家計的には歓迎すべき話。ところが、保険金の額が減る=男の価値が落ちる、という思考回路の男性が少なからずいるのだ。死亡保険金が低くなったことで「男たるもの」の信念がぐらつくのかもしれない。

でも、そういう男性には「男たるもの」の角度を変えて考えてみて欲しい、とお願いしている。なぜなら実際は、家計の大黒柱として十分な働きを現在もしている場合が多いからだ。

例えば、長年、欠勤・遅刻もせずマジメに仕事をして、厚生年金保険料や国民年金保険料、共済掛金を納めているからこそ、万が一のことがあっても、残された家族は遺族年金を受け取ることができる。

また、家を買ったからこそ、もしもの時も家族に家を残すことができる。

さらに言えば、妻が働く環境をつくる夫の理解と協力があるからこそ、もしもの時に妻は働き、自立することができ、結果的に貯蓄額が増えて、死亡保険が少なくてすむ。

死亡保険金が少なくて済むということは、今使えるお金や老後の資産が増える安心につながる。つまり、「男たるもの」と頑張る男性たちが存在していることが最大の財産であり、さらに不要な死亡保険を見直す決断が「男たるもの」の家計を充実させるコツといえるのである。

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