戦後史の謎として最大級のものの一つが、日本と台湾の関係の深さである。日本が公式には国交を持たない台湾(中華民国)は、それでも自由民主党に人脈の網の目を張り巡らせ、言論界にも大勢のファンを抱えている。そのような日台関係の急所に切り込み、各界の熱心な台湾ファンの心情の原点にたどり着いたのが本書だ。

その原点とは、第二次大戦終了時の中華民国の指導者だった蒋介石の演説「以徳報怨(徳を以て怨みに報いる)」だ(実際には、蒋はこの通りの発言はしていない)。戦争で日中は敵国同士だったが、戦後は恨みっこなしで、新たに友好関係を築こうという寛大な姿勢を打ち出したのである。

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