1億円以上の報酬は189社359人
2013年度に1億円以上の報酬を受け取った上場企業の役員は189社、359人。前年より2割増えている(東京商工リサーチ調査、6月30日現在)。最高額は12億9200万円。昨年トップだった日産自動車のカルロス・ゴーン社長は9億9500万円で5位だった。
世間の関心はゴーン社長の報酬が高いか安いかに集まっているが、肝心の高いか安いかを決める基準を知っている人はほとんどいないだろう。ただ漠然と日本企業のトップに比べて高すぎるとか、いや、外資の自動車会社のトップに比べれば高くないと勝手に評価しているにすぎないだろう。
じつは開示を義務づけた09年の改正内閣府令では1億円以上の個別開示とは別に報酬額を決定する方針や算定方法などの開示を求めている。知りたいのはこの算定方法だ。つまり、どういう指標(売上高、利益、株価など)に基づいて、どの程度達成したらいくらになるのかという報酬の決め方である。これがわかれば適正な報酬を受け取っているのかどうかを検証できる。
社員の給与も同じだ。一般的に業績評価と行動・役割評価の2つがあり、業績評価は社員が期初に設定した目標の達成度をランク付けし、月給や賞与に反映される。たとえば達成度100%であれば昇給額が2万円、賞与は基本給×4ヶ月×20%という具合に一定の計算式に基づいて決まる。多くの企業では透明・公正な給与の決め方に腐心しているが、日産自動車の場合もコミットメント(必達目標)などの指標をベースに決めている。
では役員の場合はどうか。