5歳年上の姉さん女房だ。出会ったときの彼は高校を卒業したばかりの新人でまだ10代。無愛想でごつい人というのが第一印象。でも「電話番号教えてください」とキョウコさんに積極的にアプローチしてきた。

「最初は世間知らずでビックリしました。私が年上でよかったなと思います。ただ父も野球を観なかったので、私は野球音痴。付き合うようになってから勉強しました」

交際3年で結婚したが、夫はほとんど家にいない仕事だ。

「1年の半分以上はいません。いてもナイタ―で夜遅くにしか戻れないから。子育ての協力はまったくあてにできないので、ひとりで3人育てています。結婚してまず栄養学を勉強しました。家にいないことが多いので、サプリを渡して自己管理をしてもらっています」

夫に土日の休みはない。家族でのお出かけはオフシーズンなのでディズニーランドも冬の寒い中しか行けない。

つらいのは、試合に出してもらえないとき、二軍落ちしたとき。

「どんなに夜遅く帰ってきても、必ず素振りをしている。家族が一番そばで努力を見ているので、本当に悔しいです。子どももテレビに出ないと寂しいって言います」

キョウコさんは心底悔しそうに言う。そこまで家族が一丸となって応援しないと、プロの選手は支えられないのだ。

「プロの選手の妻は世話好きじゃないと務まらない。夫にお世話してほしい人は無理だと思う。華やかな世界にいた人は退かないと支えられないと思います」

今、1年がかりで設計した億のつく豪邸を新築中だが、それも夫のためだ。

「夫ももう30代。いつ引退してもおかしくないので、これまで頑張った証しを残してあげたいんです」

あくまでも夫第一のキョウコさんだが、自身へのご褒美はあるのだろうか?

「子どもを産んだときにバッグを買ってもらいました。3人だからエルメスが3個。でも実用品の大きなバッグです。子どものオムツとかいっぱい入るのがいいんです。でも、小さなバッグを持って自分だけの用事で外出するのって憧れなんですよ」

(澁谷高晴=撮影)
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