こうした配慮は教科書にも反映されている。
「マネジメントのシチュエーションに特化しています。しかも、語法上の要点とニュアンス上の要点が必ず解説されているため、英語のロジックとニュアンスを常に意識しながら学べます」(政元氏)。同社の自慢のひとつが、教材作成チームだ。
「大前研一の考え方を核に、海外での業務経験があるメンバーで構成されています。実際の執筆は、MBA取得者や英語ネーティブの大学教授などが手がけます。そして、この叩き台を基に、銀行、商社などいろいろな業種で海外経験のある当社社員チームがさらにビジネスの現場経験を生かして磨き上げていきます。『現場では、そんなこと言わない』とか『そんなプレゼンはありえない』などと議論しながらつくり上げるのです」(政元氏)
確かに、マネジメントコースの内容を見ると、マネジャー養成講座と見まがうほどにビジネスに特化している。
なるほどビジネス英会話なら、こうあるべきと思えてくる。しかし、世の中ではこういう英会話コースをあまり見かけない。すかさず大前氏がこう応える。
「それは、経営の経験のない人たちが英語を教えているからですよ」
英会話を習うのではなく、英語でビジネスコミュニケーション力を磨くという発想は、実際にビジネスに日々どっぷり浸かっているビジネスパーソンにとって、新たな視野と自信を持つきっかけになるのではないだろうか。
(斎藤栄一郎=構成 市来朋久=撮影)