ニュアンスを甘く見ると失敗する
ビジネス英会話の肝について、大前氏は次のように説明する。
「ビジネスを語るなら、まず数字と論理。英語が流暢でも『あなたのことが好きだから会社を売ってくれ』じゃ、話にならない。数字をある程度語れる素養がなければビジネス英語は無理」
確かに財務の専門能力はいらないにしても、数字がまったく出てこないビジネスはない。
「それから論理も大切。英語がペラペラでも感情だけではビジネスが先に進まない。論理的に話せないと、支離滅裂で仕事にならない」
そして、論理と数字に加えて、大前氏はコミュニケーション力を挙げる。
「要はニュアンスです。英語と日本語は言語的にかなり違う。だから日本語をそのまま英語に直してしゃべっても、本当のニュアンスは伝わらない」
その重要性がわからないと、ビジネス英語は上達しないし、学習コストは増えるばかりと大前氏。
実際、ニュアンスを甘く見ると、英語のできる人でもビジネスで失敗すると大前氏は指摘する。
「ペラペラでも、いやペラペラだからこそ、『俺が英語で直接交渉する』としゃしゃり出る。ところが、ニュアンスも考えずに発言して、相手を怒らせたり、交渉を決裂させたりするんです」
このニュアンスにまで踏み込んで教えるのが、マネジメントコースの特徴でもある。
「TOEICの成績がよくなっても、ニュアンスを伝えられない英語では、ビジネスで失敗する。ビジネスコミュニケーションのツールとしては、結果を出せないのは致命的」(大前氏)