その理由は家計収支を見れば一目瞭然だ。教育費をはじめすべての項目が軒並み膨らむメタボ家計。そのなかでも目立って高いのが住居費だ。加藤さんは一回り年下の妻にせがまれて23区内にある新築マンションを購入した。だが、駐車場代3万円を含めて毎月24万円の住居費は額面年収の25%に近く、いくらなんでも高すぎる。
このままでは次女を希望どおり進学させることができないため、対策が急務だ。
まずは車を手放すといい。加藤さんは「国産車でガマンしている」というが、そんな問題ではない。車を手放せば駐車場代も不要になり、車関連費だけで毎月6万円も削減できる。さらに、営業員に勧められるまま加入した保険を見直して保険料を1万5000円削減すれば、毎月の赤字は解消。このほか、食費や水道光熱費、通信費など支出全般のムダな部分を少しずつ削減すれば、当面、次女の進学費用は捻出できそうだ。
だが、加藤家の問題はそれだけでは済まない。加藤さんが60歳で定年退職を迎えるとき、次女はまだ高校生だ。60歳以降は雇用延長制度などを利用して働くとしても、年収は大幅にダウンすると考えられる。そうなると、次女の大学進学費用が足りなくなる可能性が高い。加藤さんは退職金をアテにしているが、この時点で退職金を取り崩せば、老後資金が不足する。
こうした事態を避けるには、妻が今すぐ働きに出て、貯金を増やすしかないだろう。幸い妻はまだ40歳、探せばパート先は見つかるはずだ。