ビールと痛風の因果関係

ゲルマニアと呼ばれていた時代から、ここの人々はビール好きで知られている。体格が大きいので内臓の容量も大きいのか、飲む量も多い。あれだけガンガン飲めば、みんな痛風になるのでは、と思いきや、ドイツ人に痛風もちが多いという噂はあまり耳にしない。

ビールの飲み過ぎが痛風の原因、というのは風評であって、科学的根拠に乏しいといわれている。

たしかに、ビールのプリン体含量は、3~6.9(mg/100ml;帝京大・金子教授調べ以下同)と、食品のなかでは少ないほうである。仮にプリン体6mg/100mlとして、1リットルで、60mgの摂取となる。

痛風患者がコントロールすべき一日のプリン体摂取量は、400mgとされている。フランクフルトソーセージが49.8(mg/100g)として、300g食べたとして、約149mg。これにビール1リットル分を足しても、209mgで、制限内に収まる。

プリン体はさておき、度数は低いながらもビールにはアルコールが含まれ、それが尿酸の生成を亢進させるといわれている。では、ノンアルコールビールならば、痛風発作は起きないのではないか。と、痛風初心者でありし頃の私はオーストラリア製のノンアルコールビールに眼をつけ、1日1リットル飲んでみた。何の変化もない。これはいい、と調子に乗って、それを4日間続けたら、いきなり発作が出た。医師は言ったものだ。

「たとえアルコール度数は低くても、プリン体はありますからね」

現在では、プリン体ゼロのビールも出回っているようだが、それならば発作は起きないかもしれない。が、用心すべきは、ビールを飲むと食欲がわく、という点である。とりわけ、乾きものが欲しくなってくる。郷里の瀬戸内で採れたイリコ(煮干し)などつまみには最適なのだが、プリン体含量ときたら、なんと746.1(mg/100g)もある。サラミソーセージは、120.4(同)。

むろん、ビールやつまみに罪はない。

(佐久間奏=イラストレーション)
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