そして、テキストにある典型的な会話パターンを暗記するくらい何度も音読してください。この音読が英語習得に大きな効果をもたらします。特に挨拶など日常生活に使われる定番表現は、考えなくても口の筋肉が自然に動いて、さっと言葉が出てくるくらいまで練習します。英語がうまくなくても、笑顔で決まり文句を返すだけで相手との信頼関係が生まれ、コミュニケーションもスムーズになるのです。

また、沈黙せずに会話を続けるためには、こちらから質問を投げかける必要があります。相手のことを尋ねる疑問文を暗記しストックしておくと、会話がスムーズに流れます。会話が続けば、その分、こちらの耳にインプットされる英語の量も増え、自然と英語力アップに役立つのです。

特にビジネスの場においては、失礼な表現を使わないことも留意したいところ。ノンネーティブだとわかっていても、失礼なことを言われると誰しもいい気分はしないものです。そのためにも丁寧な表現とくだけた表現を意識的に区別して学習しましょう。

独学の場合、発音を含めて、学んだことが本当に通じるのかどうか確認が難しい。もし周囲にネーティブスピーカーがいない場合、多少の出費にはなりますが、英会話学校などを「確認の場」として活用するのも手です。最近は、パソコンのビデオ通話ソフトのスカイプを利用して主にフィリピン人講師と英会話を練習する安価な講座が多数あります。これも質はさまざまですが、独学の成果を確認する場として一度試してみるといいと思います。「自分の英語が通じた!」という喜びは、何よりもさらなる学習へのモチベーションになります。

□□■スピーキングの推薦教材■□□
・推薦図書
『英会話ペラペラビジネス100』
スティーブ・ソレイシィ、ロビン・ソレイシィ共著/アルク
『ネイティブが教えるコミュニケーションテクニック60』
エド・スミス、デビッド・ネヴィン、金井真努香共著/NHK出版

・参考書として
『Communicating in Business English』
Bob Dignen著/Compass publishing

・文法書
『マーフィーのケンブリッジ英文法 初級編・中級編』
レイモンド・マーフィー著/Cambridge University Press