今、注目はLIXIL藤森社長

日本企業におけるトランスフォーメーショナル型リーダーとして今注目されているのは、LIXILグループCEOの藤森義明氏ではないでしょうか。そしてここで私が強調したいのが、このタイプのリーダーの要件でもある「ビジョンを示すこと」の重要性です。

図を拡大
ジャック・ウェルチは「ビジョンの共有」を重視した(写真=ロイター/AFLO)

藤森氏はGE(ゼネラル・エレクトリック)出身ですから、「20世紀最高の経営者」とも呼ばれたジャック・ウェルチの薫陶を受けていたことになります。ウェルチ氏が「自身と部下のビジョンの共有」を重視していたことはよく知られています。部下を評価する際に、「結果を残せていないが自分とビジョンを共有できている」部下には再度チャンスを与えるが、「結果は残せても、ビジョンが共有できていない」部下には容赦なく辞めてもらった、というのは有名な話です。藤森氏がそこまでのことをされているかはともかく、ウェルチ氏と同じく、部下とのビジョンの共有を重視されていることは想像にかたくありません。

では「よいビジョン」とはどのようなものでしょうか。経営学では、ビジョンについての統計分析を用いた研究も行われています。ここでのポイントは、ビジョンの善しあしの評価軸には「内容」と「特性」があることです。ビジョンの内容は業界や企業ごとに異なるでしょうから、ここでは「特性」の研究に注目しましょう。