望むと望まざるとにかかわらず、仕事で海外に出る日本人は増えている。ビジネス成功のためにも、ぜひ世界で通用するマナーをマスターしておきたい。
誰に対しても敬意を表する姿勢も忘れないでおいてほしいもの。ある大企業の役員秘書が、日本の要人はビジネスパートナーに対しては大げさなほどお辞儀をしていくのに、お見送りまでする秘書には何も反応しない方が多いとおっしゃっていました。上位者やゲストだから自分が偉いと思うのではなく、どなたにも自分から「サンキュー」と声をかけるようにしたいものです。
レディファーストについては、基本的にプライベートにおける習慣であって、ビジネスシーンでは男女の区別はありません。役職が上位か下位かが行動基準になります。ただし、エグゼクティブの方ほど、子どもの頃からレディファーストを躾けられているため、自然にされることが多いものです。相手が女性の場合は、やっておいて間違いはないでしょう。
【レディファースト】ビジネスの場でもやっておいて損はない
●エレベーターは女性を先に……男性がボタンを押して女性を先に通す。特に年上の女性を一番先に。レディファーストはビジネスにおいて男性側が上位者であってもやっておいて間違いはない。
●ドアの開け閉めも要注意……男性が率先して開け、女性を先に通してから男性が通るのが基本。そこまでが難しい場合であっても、最低限、後から来る人がいる場合は、男女問わずドアを押さえておくのは常識。
●荷物は率先して持つべし……重い荷物を持ったり、特に上にあげるような場面では、面識がない女性であっても男性が積極的に手伝う。男性側が上位者であっても女性に重いものを持たせるような行為は慎みたい。
上月マリア(こうづき・まりあ)
20年にわたって国際人の育成にあたり、日本の精神から国際マナーまで総合的な指導を行っている。2012年には中国でも「成功のための国際マナー」の講演を行った。『どんな場でも、「困った人」にならない気配りの習慣』など著書も多数。
20年にわたって国際人の育成にあたり、日本の精神から国際マナーまで総合的な指導を行っている。2012年には中国でも「成功のための国際マナー」の講演を行った。『どんな場でも、「困った人」にならない気配りの習慣』など著書も多数。
(構成=鈴木 工)