特に、自宅で看取る覚悟で在宅介護をしていたのに、いざとなると「(死を)直視するのが怖い」と、家族が真っ先に119番へ電話するケースは後を絶たない。こうなると本来の目的は果たせずに、「何のために自宅で親を看ていたかわからない」事態に。可能な限り、担当医の指示を仰げるように、普段から“万一の際の対応”についても確認、話し合っておくことが大切だ。
病院や診療所で臨終が確認された場合は、問題なく「死亡診断書」が発行される。生命保険の手続きなどにも必要なため、1通5000円程度と有料だが、このときに2~3枚予備をもらっておくと後の面倒が少ない。
「死亡診断書」(または「死体検案書」)は7日以内に「死亡届」と共に役所へ提出することで、「火葬許可書」が発行される。なお、葬儀費用は警察や病院からの搬送より発生するが、事前に依頼する葬儀社を決めていなかった場合は、警察や病院から斡旋された業者に搬送を任せざるをえない。このとき、葬儀まですべてを任せずに、一度「搬送まで」とケジメを付けること。勝手に段取りを進められる前に断り、この時点で時間をかけて葬儀社選びをするのが、費用、内容ともに“納得のいく葬儀”にする重要ポイントだ。ちなみに、斡旋業者が保有する施設へ遺体を安置しても、葬儀は別の葬儀社へ依頼するのも問題ない。