
会社組織において最終的なデシジョン・メーキング(意思決定)を下すのは、トップの仕事です。しかし現代社会では、答えが一つしかないような問題はごくわずか。ほとんどの問題は二項対立を抱えています。そこで一方の選択肢を選ぶということは、もう一方の可能性を失うことを意味する。二項対立に悩む経営者に対して、決断を迫る覚悟があるかどうか。ロジックで答えの出せるケースばかりではありません。だからこそ、チャレンジ精神とパッションが求められるのです。
「プレミアムロールケーキ」などのヒット商品を生んだ「驚きの商品開発プロジェクト」も、そうしたパッションから始まりました。弁当では、800円程度の価値のある高品質な商品を500円程度で販売し、好評を得ています。しかし、初めから現在のような形で提案されたわけではありません。最初は、「何か一つ品質のいい材料を使う」という程度でした。そこから、「原材料を直接仕入れられないか」「製造工程を見直せないか」といった議論に繋がっていき、最終的には、「とてもコストに見合わない」といわれていたものが、「驚き」の価格で提供できるようになったのです。
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(総括、分析・解説=楠木 建 構成=小川 剛 撮影=相澤 正)

