すでに住宅ローンを利用しているケースはどうか。変動金利で借りている人は早めに固定金利に借り換えたくなるが、FPの畠中雅子氏は「無条件で固定に切り替えることには賛成できません」と反対の立場を取る。
「固定に切り替えると、毎月の返済額をよほど増やさない限り元金の減り方が鈍くなります。たとえば変動金利で毎月1万円返済していた人が固定に借り換えて1万2000円の返済になったとします。2000円多く返済しているのだから元金も早く減っているように思いがちですが、実際には金利が高くなったから返済額が増えたのであり、元金はむしろ減りにくくなっていることのほうが多い」
表のケース4に注目していただきたい。変動金利のままでも、繰り上げ返済をしていれば固定に切り替えた場合より返済総額は少なくなる。
「繰り上げ返済をしない場合は、固定金利のほうが有利です。またギリギリでローンを組んでしまった人も、月の返済金額は増えても、固定金利にしたほうが将来安心ですね」(畠中氏)
金利上昇期だから固定金利という固定観念は捨てるべきだ。