都内ナンバーワンの数を誇る49の銭湯も大田区の財産のひとつ。地元の浴場連合会では外国人に銭湯の利用方法を説明するための5カ国語対応版指差し会話帳や、外国人向けのポスターを銭湯に配布したほか、「外国人のための銭湯の入り方」と題した動画も制作し、You Tubeにアップした。英語、ハングル、繁体字、簡体字など字幕を入れた動画に出演するのは、大田区が09年から公募している「来~る大田区大使」の1人だ。
「大田区在住の外国人に大使になってもらい、それぞれのネットワークで大田区をPRしてもらおうという試みです。友人や家族に大田区の魅力を伝えてもらうのが彼らの使命。大田区の広報でも活躍してもらっています。6人からスタートし現在は19人にまで増えました」(同区観光振興担当・矢島浩輔氏)
大田区は青果市場や池上本門寺もある。築地市場が外国人客の人気を集めるなら、青果市場にもチャンスはある。五重塔が美しい荘厳な池上本門寺と門前町の商店街も有望だろう。大田区の地道な試みが軌道に乗れば、キラーコンテンツがないほかのエリアにも大いに参考になるはずだ。
ほかにもこんな場所、モノが人気
●竹下通り(東京・原宿)
「外国人がクールだと評価した日本の観光スポット」の1位。街全体の雰囲気を「cool」「kawaii」と絶賛。明治神宮とセットで回るのが定番。
●築地市場(東京・築地)
「クールなスポット」11位。年末年始の繁忙期を除き、マグロ卸市場の見学ツアーを実施している。日本語・英語・中国語・韓国語・ロシア語に対応。
●中野ブロードウェイ(東京・中野)
中古本や漫画・アニメ関連グッズを販売する「まんだらけ」などに、マニアの外国人も押し寄せる。施設内の案内板も外国語対応になっている。
(尾関裕士、向井 渉=撮影 PIXTA=写真 (公財)東京観光財団=写真提供)