Appleの製品は、どこにあっても、どの製品でも、これはAppleの製品だということがわかる。

自動車にも、そういうメーカーが存在する。ベンツ、フェラーリ、ポルシェなどである。車に詳しくない私でも、これらのメーカーは見ればどこの車かすぐにわかる。

しかし、トヨタと日産とホンダの車の区別は私にはつかない。もちろん、詳しい人は見ればわかるのだろうが、デザインに大きな特徴があるわけではないからだ。

それでは、この先ずっと愛される企業でいられるかどうか、むずかしいと思う。

シェアが何%か、グローバルに展開できるかなどは考えずに、一度つくりたいものをつくってみるのはどうだろう。

そういった個性的な企業に方向転換を図ると、今の企業規模は維持できないかもしれない。

現代は、価格競争をしぶとく生き抜きながらグローバルに拡大し続けるか、小さい規模でも熱烈なファンに「選ばれ続ける」企業になるのかの選択をせまられる時代になったのだ。

※本連載は『おれが浮いてるわけがない。』(五十棲剛史 著)からの抜粋です。

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