家事やスマホを覚えないと困ることも

前期高齢者になったら、夫を家事、特に料理ができるように教育することだ。今まで妻に任せっぱなし、何一つ料理できないようであれば、妻が入院したとき、友達と旅行に出たときパニックになるであろう。もし、スマホ、パソコンが使えないのであれば、60歳代のうちに電話、メール、インターネットくらいはできるようにしておかないと、もっと歳をとったときに困るであろう。

スマートフォンを操作するシニア
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飯三合炊けたと夫のはずむ声たまの入院悪くはないか(※2) 河野節子

※2 河野節子、朝日歌壇、2012年11月11日

話を進めるには、まず、現在の高齢者の生活ぶりについての具体的な情報が必要だ。内閣府は「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」をしている(※3)。大阪大学の斉藤弥生教授はそのデータを、前期高齢者、後期高齢者に分け、さらにスウェーデンと比較して分析しているので、以下引用する。

※3 内閣府「第9回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査(全体版)」

高齢者の80%は、一戸建てに住んでいる(前期高齢者83.8%、後期高齢者79.3%)。日本に比べると、スウェーデンは、集合住宅が多い(後期高齢者の47.8%)。

6割以上の高齢者が感じる家の課題点

身体機能が低下したときの住みやすさを聞くと、スウェーデンは後期高齢者の63.5%が、「住みやすい」と回答しているのに、日本は逆に後期高齢者の65.9%が「問題あり」という(※4)。日本家屋のほうが、老人に住みにくいことは想像がつく。

※4 斉藤弥生「高齢者の日常生活―スウェーデンと日本の比較から―1/2」

日本の高齢者の半数近くは、子、孫と暮らしているが、スウェーデンでは、子、孫と一緒に住んでいる前期、後期高齢者は3%台に過ぎない。また、興味深いのは、日本の単身世帯者が、前期から後期高齢者になると減少することである。

一方、スウェーデンでは前期から後期になると単身世帯が増えている。日本では、配偶者を失い一人暮らしをするようになった父/母が子ども世帯と同居するようになったことを示唆している。どの国も、高齢者は子や孫とはときどき会って食事や話をするのを楽しみにしている。みんな、家族のつながりを大切にしているのだ。

一戸建ての友人の家を訪ねると、庭に植物が植えてあったり、スペースに余裕があり、うらやましいと思うことが多い。しかし、管理が大変だろうなとも思う。