全国の生産者を支える裏方へ

「モナリザ」で生産者として一躍有名となったが、自身の成功だけでは満足できなかった。生産者の仲間が、精魂込めてつくったネギを市場で買い叩かれて涙する姿を見て、そのままにできる清水さんではなかった。

「かつては自社ブランドを確立し、会社を良くするために1本1万円のネギを作ってきた。だが、もうそこに興味はない。いま重要なのは、困っている全国の長ネギ農家たちがどうやって潤うかだ」

そのために立ち上げたのが、全国の参画農家からネギを買い取って実需者へ直接届けるプラットフォーム「葱出荷組合zero」だ。仲間を助けたいと思って始めた事業だが、これが大きく成長した。同社の2025年の売上高38億円のうち、実に約7割(約27億円)をこの「zero」での買い取り・直販事業が占めている。

やがて清水さんは、ねぎびとカンパニーの業務自体を全国の生産者を支える「裏方」へとシフトさせていった。

巨大育苗拠点と「専用肥料・資材」の供給

農業の世界には「苗半作」という言葉がある。「どれほど高い買取価格や販売網を用意しても、苗の品質が悪ければ農家は良い長ネギを作れず稼げない」。

高品質なネギ苗・玉ネギ苗を自社で生産する体制を整備。同時に、微生物を配合したオリジナル有機肥料・資材を「zero」参画農家や資材店へ展開し、栽培技術支援にも取り組む。技術と土づくりの両面から農家の歩留まりを支えている。

ねぎびとカンパニーが作るネギの苗
筆者撮影
ねぎびとカンパニーが作るネギの苗