予測される「2つのシナリオ」
ここから先の展開は、おそらく二つにひとつです。
ひとつは、このまますんなりこの決定を受け入れて、東京大学が藤垣裕子さんを総長に就任させる場合です。さすがにデュアルユースの研究投資は東京大学に入れづらくなるだけでなく、東京大学以外に資金が流れ始めると、以前から問題視されてきた東京大学の分割・解散みたいな過激な議論も出てくると思われます。
分裂騒動が起きるというよりは、研究資金が東京大学に落ちなくなることで見限る有力研究者が、他の大学に移籍することで草刈り場になってしまうという事態です。
もうひとつは、総長選考・監察会議の結論をいったん差し戻し、ちゃんとテーブルの上に諸条件を出し直したうえで再選考する道です。もっとも、いまの規則で総長予定者の決定を取り消せるのは、心身の故障や総長たるに適しないと認められる事情が明らかになった場合などに限られており、実現すれば前例のない話になります。
つくづく思うのは、研究者として超優秀でも組織を率いる人としてはむつかしいという問題は割と普遍的なのだという点です。また、大学の特徴として、研究をする、教育もする、また大学運営など校務・雑務にも取り組む、などというのは、相当バランス感覚に優れた人物でないとこなすことができないのでしょう。
検索時にプレジデントオンラインに関連する記事が表示されます

