保守系・文部科学大臣の思惑は
しかも、文部科学大臣の関芳弘さんは、旧安倍派出身のバリバリの保守系の人物です。選考経緯については、すでに大臣記者会見でも説明責任を求める発言が出ておりますが、介入されるかどうかは現段階では不明です。
総長の任命は大学の申出に基づいて文部科学大臣が行う仕組みで、藤垣さんは大臣の任命を経て2027年4月に就任する段取りですから、それまでに何か起きる可能性はあるんじゃないかと私は思っています。
理事・副学長の経歴はあるものの、研究科長や学部長を経ていない人を選ぶ理由がそもそもあるのかと言われると何も言えないのですが、それでも意向投票で2位ではあるので、特に不適切・違法な総長選抜とも言えませんから、藤垣さんでという話はまあわかります。
あとは、これだけ騒ぎにしておいて、なお突っ張るのかという話です。
ちょうど良いやつはいねえのか、とも思いますし、そもそも、なんで最終選抜に染谷さんを残したんだという話もあるのです。奨励会の問題は7月の時点で公表され、東京大学新聞でも染谷さんの代表理事歴が報じられていました。
国際卓越研究大学は崖っぷちに
それでも総長選考・監察会議は8月、「求められる総長像」に合致していることを前提に、第2次候補者5人のうちの1人として染谷さんを残しています。国際卓越研究大学に東京大学を選ぶ、選ばないという大事な時期に、です。
東大は国際卓越研究大学の審査で、昨年12月から最長1年の継続審査となっており、法人のガバナンスに関わる新たな不祥事が生じれば審査打ち切り、という崖っぷちにあります。医学部系では教員の収賄事件が相次いで性風俗店での接待まで問題になり、工学部系では奨励会の問題が出ました。さらに全学調査では、研究の利害関係者から接待を受けた特任教授の停職処分も出ています(※)。
※9月11日、東京大学は研究に関する利害関係者から総額15万円相当の接待や物品提供を受けたとして、60代の特任教授を停職2カ月の懲戒処分にしたと発表。一連の調査で判明した倫理規定違反は26件に上る。
ビッグなスキャンダルを起こし続けている工学部系や医学部系から総長を選んで、大学の統治が本当にできるのか。また、国際卓越研究大学に選ばれるのか。これは投票の前に、ちゃんと考えたほうがいいことだったと思うんですよ。

