脳がいちばん喜ぶのは「変化」だ。だから、あらゆることが生々流転する現代社会は、脳にとって最高に楽しい状況だといえる。言い換えれば「変化を楽しめない人」は生き残れない──。

※第1回はこちら(http://president.jp/articles/-/11968

中国・インドの人材をサムスンが集める理由

TPGキャピタル代表 津坂 純氏

【TPGキャピタル代表・津坂 純】私は大学卒業以来、約18年を米国で過ごしました。金融や投資の世界でキャリアを積み、6年前、日本に戻ってきました。帰国について、「なぜ日本なんかに戻るのか」と心配する友人が大勢いました。経済はよくないし、政治は滅茶苦茶。米国にいるほうがいいだろうというんです。いろいろな理由がありましたが、ひとつには日本人として、日本に貢献したいという気持ちがありました。

一時帰国して、いろいろなところを歩いてみると、若者の目が輝いているのに気づきました。残念ながら社会人は違った。でも若者は生き生きとしていると感じたんです。私個人としてはまだ日本では大きな仕事をなしえていません。やはり、あっと驚くようなことをしないと、影響力はないというのが日本ですから。また一方で、そういうことをすれば叩かれます。でも私はそれを恐れていないんですね。いいチャンスでは動きたい。

【脳科学者・茂木健一郎】いま日本で一番深刻だと思っているのが、電機メーカーの不振です。アップルは世界最大の時価総額を誇る企業になっています。一方、ソニーは音楽や映画といった事業を持ちながら、iPodやiPhoneのような商品を作れなかった。インターネットとグローバル化に適応できずにいる日本企業の危機は深い。海外のファンドの力で、大きな事業再編が起きたほうがいいとすら思うのです。

【津坂】私はすこし楽観的です。アップルもずっと素晴らしい会社ではありませんでしたよね。スティーブ・ジョブズというリーダーを追い出した会社で、97年には深刻な経営難に陥った会社です。わずか15年でいまの姿に成長しました。

【茂木】そうですね。でも人材を入れ替えないと無理でしょうね。

【津坂】ご指摘の通り、飛躍的な業務改革は、同じ秩序の中ではなかなかできませんよね。人材の根本的な補強が必要です。