作成した管理リストは、紙にプリントアウトしたものを非常用袋に入れておく。万が一盗まれたときに個人情報や財産内容が漏れるのが心配だという人はエクセルでつくったデータをクラウド上のサーバに置いて、家族間でID、パスワードを共有する手もある。
遺言書を作成し、もし被相続人が死亡した場合、誰にどの資産を残すかきちんと定めておくのもいい。早急に生計を立て直す必要がある被災時に相続争いをしている暇はないのだ。今は書式にしたがって記入すれば「自筆証遺言書」が書ける遺言キットが書店で販売されているし、効果が確実な「遺言公正証書」も比較的安く作成できる。公証役場の手数料は相続財産5000万円までの遺言を作成する際には2万9000円で済む。
法的な遺言書までは……という人は、保険や住宅ローン等の資産状況に加えて葬儀の希望や家族へのメッセージも書き込める市販のマイライフノートやエンディングノートといったツールを活用してみてもいいだろう。
(高村瑞穂、平地 勲=撮影)