前方座席より後方座席に座るほうがより良い

その模型をリュックに入れ、腎臓のある辺りの位置で抱え、医師自身で20回、ひたすらジェットコースターに揺られた。

本当は、ウシかブタの腎臓を遊園地に持って行って試したかったものの、「ファミリーフレンドリーな遊園地で、そのようなものを周囲の目に入れるのは不適切である」としてやめたようだ。

ディズニーワールド側には事前に許諾を取った。論文の謝辞では「この研究を敷地内で行う許可を与えてくれたディズニーワールドに感謝する」と述べている。

患者の言っていたことは本当だった。腎臓模型の中で確かに石が通ったのだ。

ワーティンガー医師は、ジェットコースター後方の席に座った時のほうが、前方の席に座った時よりも、腎臓から尿路へ結石が移りやすいことを確認した。

石の大きさに関わらず、前方座席では17%の確率で通った一方で、後方座席では64%の確率で通った。後方座席のほうが揺れが激しいから、と推測している。

時速160キロメートルでは速すぎる

また、論文では、「理想的なのは、速く、荒く、ある程度ひねりや回転があるが、逆さまになったりしないものだ」と綴つづっている。スペースマウンテンやロックンローラーコースターなど、ディズニーワールドで比較的「怖い」とされるジェットコースターにも乗って試してみたが、効果は見られなかったからだ。

ビッグサンダーマウンテンはライドのテーマからもガタガタ動くように設計されており、乗客は横に細かい振動で揺さぶられる。

一方、スペースマウンテンなどは速度が速すぎて、加減速のたびにかかる重力により、反対に石が固定されてしまう、とワーティンガー医師は推測している。時速65キロメートル以上であればいいが、時速160キロメートルでは速すぎるらしい。

ローラーコースター
写真=iStock.com/aozora1
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医師たちは、一度石が通った後も定期的にジェットコースターに乗ることで、大きな石の発生の予防にもつながるだろう、と結論付けた。