熱中症予防の秘訣はずばり「客観的」に判断すること
ではどのようにして熱中症を予防すればいいでしょうか。一つ言えるのは、「自分が暑いと感じてから水分を摂る」ではなく、「『今日は暑くなる』という客観的情報があれば水分を摂るようにする」です。
ガンコな“お爺ちゃま”や“お婆ちゃま”にこれを伝えてもまず間違いなく「本当に暑くないんだよ!」と言われてしまうので、ご家族やお世話をしている方がしつこく言って聞かせるしかありません。
熱中症は重症化すると意識朦朧状態となります。「あっ、やばいかも」と思った時にはすでに遅し。そのまま倒れてしまい、誰かに見つけてもらうしか助かる道がなくなってしまいます。この発見時間が遅れるとさらに分単位で重症化していき、病院に搬送されて治療を施しても、植物状態になったり、最悪の場合は死に至ったりすることもあります。
「あっ、やばいかも」と思ったときにはすでに遅し
熱中症が進んでくると、吐き気や倦怠感などが出てきますが、初期のうちは口渇感(口の中が渇く感じ)や発汗などしかなく、暑い時に人が感じる一般的な症状につき、どこまでが正常でどこからが熱中症かを線引きするのは難しいです。あくまでもリスクの高い状況に置いて、適切な水分摂取を行えているかどうかが、熱中症になるかどうかの分岐点かと思います。ある患者さんから「熱中症にならないように普段から漬物や味噌汁を摂るようにしています」という話を言われたことがあります。普段の食事に意識的な人ほど「食べもので何とかできる」と油断しがちですが、少し違っていて、普段の生活習慣で予防できるものではないのです。それはおいしいものをたくさん食べている食いしん坊のみなさんも同じです。
では、危険信号が灯ったとき、どんな対策をするとよいのでしょうか。
後半では、「適切な水分と塩分の摂取」に効果的な飲料について、お話ししたいと思います。
教える人
平松 玄太郎 先生
埼玉医科大学卒業、同大学総合医療センター 高度救命救急センター所属、同センターにて災害医長を担当。救急・集中治療専門医としてER・ICU・災害医療を生業とする傍ら、訪問診療・産業医・レースドクターなどにも従事。検索時に関連する記事が表示されます


