テレビ発としてはほぼ最後のアイドル

SPEEDが彗星のように登場した同じ1990年代後半には、テレビ東京のオーディション番組『ASAYAN』からモーニング娘。(1998年1月デビュー)も誕生している。テレビとアイドルの結びつきは健在だった。

ただ振り返ってみれば、ちょうどこの頃が、テレビからアイドルが生まれる時代の終わりになった。2000年代中盤にAKB48が誕生。テレビではなく劇場公演中心の活動から大ブレイクするという新たなパターンが生まれた。その意味で、SPEEDはテレビ発としてはほぼ最後のアイドルと言えるだろう。

SPEEDは2000年に解散を発表。その後日本テレビの『24時間テレビ』などをきっかけに何度か再結成したものの、現在は活動休止状態にある。4人はそれぞれの道を歩んでいる。

島袋寛子は唯一芸能活動を続け、近年は俳優としての活動も目立つ。むろん歌手活動も続けていて、SPEEDの楽曲だけで構成されたライブを今年開催予定だ。

今井絵理子もソロで歌手活動を続けていたが、2016年に参議院選挙比例区に自由民主党公認で出馬。当選以来、現在もその職にある。

上原多香子と新垣仁絵は、ともに表舞台には登場していない。多香子は俳優や歌手として活動していたが、その後美容家に転身した。仁絵のほうは2013年にライジングプロダクションを退所してフリーに。その後は得意のイラストの作品を目にすることなどはあるが、表立った芸能活動はしていないようだ。

解散後の波乱万丈

こうした過程で紆余曲折もあった。寛子、絵理子は離婚を経験、多香子は夫と死別の後に再婚。さらに絵理子と多香子については不倫報道もあった。外側から事情はわからないが、平穏だったとは言い難そうな様子がうかがえる。

一方で、デビュー30周年という節目でもあり、SPEEDの功績を忘れてはならないだろう。アイドルかアーティストかという既成概念に収まらず、歌やダンスの高い能力を持ったアイドルグループが主流になる現在の先駆けになったのがSPEEDだった。

2022年に開かれた沖縄本土復帰50周年を記念するライブイベント「沖縄アクターズスクール大復活祭」では、寛子、絵理子、多香子の3人が登場して「Body&Soul」を披露するサプライズがあり、ファンを喜ばせた。

まだ全員が40代。簡単な話ではないだろうが、いつか4人揃ってのパフォーマンスを見られる日が来るのを待ちたい。

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