毎日見続けるノートの状態も、日仏で正反対

フランスの小学生たちのノートは間違いだらけ。ボールペンで書いて間違えて、消さないまま間違いの痕跡があちこちに残っている。

このノートを作成し、この状態を目に焼き付けながら、脳にインプットし続けているんだな。私は、文化の違いにもほどがあると、笑ってしまった。

フランスの子どもたちの学校のノートから考えると、日本の子どもたちのノートは芸術作品とも言えよう。日本の小学校では、鉛筆かシャープペンシルを使い、そこにトップレベルのよく消える消しゴムを備えている。授業で使うノートも、テストでも、間違えた箇所は、その間違えた痕が残らないほどまできれいに消して書き直す。

また日本では、ノートに書く際は、下敷きを使う。実はフランスには、下敷きが存在しない。ボールペンの筆圧がそのまま次のページに伝わり、新しいページは、書く前からぼこぼこである。

フランスの小学生たちのノートは、ぼこぼこで間違いの痕だらけ。一方、日本の小学生たちのノートは、まるでもう1冊の教科書ができあがったかのようにきれい。

フランスと日本ではこれだけの違いを、小学生の頃から毎日味わい続けている。

子どもの頃に味わい続けたことは、人生において大きな影響を与える。私はここから、何に気づくことができるのだろう、ここから得られることは何だろうと考えた。

日本の公立・私立小学校における「学校教育費」の内訳
出所=文部科学省HP

人生も、失敗だらけでいい

日本には、「失敗を許さない」という考え方が根強くあるように思う。それは、世間が、というよりも、一人ひとりの中に強く存在しているのではないだろうか。

芸能人が仕事上やプライベートで大変な失敗をすれば、復帰は難しい。会社では、大きなミスをすれば、責任をとって立場を降り、その出来事はずっと付いて回る。

私自身は子どもの頃、「受験に失敗したら、人生が終わる」と思っていた。離婚をすれば、次の結婚には非常に不利で、再婚は無理だと思っていた。

過去の失敗は、黒歴史。失敗は人生を大きく変えてしまうから、失敗をしないように生きなければいけない。私は、自分に言い聞かせてきた。

一方、フランスでは、失敗はして当たり前のものだと認識されている。失敗は、黒歴史ではなく、普通の歴史であり、特に色は付かない。

学校の成績が良くなければ、落第してやり直す。大学でも、学部を何度でも替えて、やり直す。転職も何度もする。カップルも夫婦も、「くっついては別れて」を死ぬまで繰り返す。

人生で堂々と何度も失敗を繰り返しているが、まったく恥じた様子はない。失敗を繰り返すことは珍しくはない。標準だ。

黒板に「パリ」という単語とフランス国旗
写真=iStock.com/MichikoDesign
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