簡単にはクビにできない理由

ただ、国会の品位はどの委員会も大事にしているので、あまりにひどい誹謗中傷など問題があることをしていると、懲罰委員会が登場します。国会の外で、国民に対する誹謗中傷の発信などは当然アウト。重鎮しかいない委員会が重い腰を上げ、どんな懲罰が適切かを話し合うことになります。

とはいえ、懲罰委員会を動かすのは相当許されない行為がある際に限ります。NHK党のガーシー(東谷義和)議員の除名も、当選から半年以上かかって処分に至りました。

ガーシー議員が得た投票数は約28万票。それだけ、彼を選んだ国民がいたということですから、その権利を委員会が侵害するということに対しては非常に慎重になります。簡単にはクビにできないのが国会議員なのです。

国会議員には使える施設が大きく2つあります。一つが議員会館、もう一つが議員宿舎です。

議員会館、永田町
議員会館、永田町(写真=Arterialmaterial/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons

議員会館は、国会議員にとっての事務所。国会議事堂の向かいにある3つの建物、衆議院第一議員会館、衆議院第二議員会館、参議院議員会館にそれぞれの議員の執務室が用意されます。

一議員に対して、執務スペースには3つの部屋があります。来客用の部屋が一つ、議員が使う部屋が一つ、そして秘書の部屋が一つ。陳情などに来た来客用に、お茶を出せるような小さなキッチンもあります。

セブンもタリーズもある議員会館

議員会館の中は、施設も充実しています。薬局、コンビニ(セブンイレブン)、お土産屋さん、食堂が2~3つ、クリーニング店、銀行(なぜか、りそな銀行一択)、旅行代理店(JTB)、理容室や医務室、さらにはマッサージルーム、トレーニングルーム、タリーズコーヒーまで完備。国会内には郵便局が2店舗あり、衆議院第二議員会館の中には保育園もあります。

寝る場所だけがない、という充実の設備ですが、選挙で落選し失職すれば、当然ながらすぐに出ていかなければいけません。選挙明けの4日後には退去を余儀なくされるため、選挙が終わると議員会館の周りには引っ越し屋さんのクルマがあふれることに……。大量の書類を入れた段ボール箱を運び出す姿は、何度見ても切なさがあります。

一方で、新内閣の誕生などでは、胡蝶蘭こちょうらんが支援者などから大量に贈られます。花屋さんが列をなし、新大臣のもとに胡蝶蘭を運び込む様子もまた、定期的に訪れる“永田町あるある”な光景です。