成功者は「開運のカギ=言葉」を持っている。経済評論家・森永卓郎&作家・本田 健が古今東西の賢人たちの言葉を厳選、解説。
●人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、何事かをなすにはあまりにも短い
――中島 敦(小説家)

【森永氏】誰にでも平等に死は訪れる。だからいくらお金を貯めることができたとしても、死んでしまったら、何も残らない。ただ、生存中にどれだけお金を残し、どれだけ使うのかを決めることは、容易ではない。いつ死が訪れるのかは、誰も正確にはわからないからだ。ただ1つ明らかなのは、人生は短いので、やりたいことをすぐやらないと、間に合わないということだ。人生を楽しんでいる人たちは、例外なくお金を使うタイミングが上手だ。

●金銭は肥料のようなものであって、ばら蒔かなければ役には立たない
――フランシス・ベーコン(哲学者)

【森永氏】お金は使わなければ、増えない。典型は、プロ野球界最大のスターである長嶋茂雄氏だ。長嶋氏は、選手時代に売店で、いつも「お釣りは要らない」と1万円札を置いていったそうだ。一見、無駄遣いのようだが、そうした気前のよい行動の積み重ねが、長嶋人気を大きく高めた。そして、長嶋氏はますます稼げるようになった。自分のことだけしか考えず、お金を握り込んでいるだけの人の周りには、人もお金も集まってこないのだ。

●よく聞け、金を残して死ぬ者は下だ。仕事を残して死ぬ者は中だ。人を残して死ぬ者は上だ。よく覚えておけ ――後藤新平(政治家)

【森永氏】いくらお金をたくさん残したとしても、死んだらすぐに相続で雲散霧消してしまう。仕事は、続いたとしても、後任がやり方を変えてしまう。自分が生きた証しをこの世に残そうと思ったとき、1番いい方法は、次世代を育てることだ。自分の理念を受け継いでくれる若者を見つけることができれば、自分の人生が世代を超えて受け継がれていく。過去の偉人たちのなかには、長期間、信奉者を集め続けている人が少なくない。