腸閉塞の治療はかなり苦しい
・イレウス管
腸閉塞になったとき、鼻から腸まで入れる太くて硬くて長いチューブ。小腸の奥のほうまで入れると2メートルくらいになる。
鼻にお箸を突っ込まれると思うだけでも恐ろしいのに、それより太くて長いものを死ぬまで入れるかもしれないとなると……。いくら腸閉塞で苦しんでいてもこれだけは勘弁してほしい。そもそも本来はしなくてよい処置。終末期に余分な点滴を控えると、腸液の分泌が少ないので腸閉塞にはなりづらいし、なったとしてもそこまでひどくならない。在宅で点滴をやめた患者さんのイレウス管を何回抜いたかわかりません。
・人工肛門(ストーマ)
手術で腸をおなかの外に出して人工的に作る便の排泄口。がんによる腸閉塞の場合、これによって延命が期待できるが、作っても、また別の部位が閉塞すれば役に立たないこともある。自分の意思とは関係なく排泄されるので、排泄口周辺の皮膚に便を受ける袋を装着しておかなければならない。しかし、がんが進行していたら、人工肛門にしても便が出ない患者は結構いる。
がん性腹膜炎の場合、腸閉塞→イレウス管→人工肛門は、多くの患者が通る終末期コースです。だから余命1カ月での人工肛門の手術は受けないと思います。
と、いくつか挙げてみましたが、最近は僕も60歳を超え、やがて必ず来るだろう死に向かう覚悟がだいぶできてきた気がします。余命1カ月ぐらいだなと思ったら、実際どう判断するのでしょう。自分がいったいどんな行動に出るのか? と考えると、むしろそのときが楽しみでもあります。
(取材・構成=浜野雪江)



