「低山の魅力」を凝縮したような山
年間300万人もが訪れる高尾山ブームは、インバウンドが極端に冷え込まない限り、今後も続くことが予想される。かといって、人が多すぎるから遭難事故が激増しているという状況でもない。
地元の人が公共交通機関を利用できないというような、オーバーツーリズムの弊害も今のところ出ていない。逆に大勢の人が来てくれてお金を落としてくれる、地元を盛り上げてくれているという点で、プラスの効果が現れているという。
高尾山は「低山の魅力」を凝縮したような山なのだと思う。しかし、万人が楽しめるこの山にも、リスクは間違いなく存在する。これから高尾山を訪れようとする人たちに対し、佐伯氏はこう注意を促す。
低山でも地図やヘッドランプは必携
「服装を含め、地図や地図アプリ、ヘッドランプなどの基本的な装備を携行し、きちんと計画性を持って登っていただきたいですね。あと、体調が悪いときには勇気を持って登山を中止してください。
せっかくの登山なのだから、無理せずに楽しんで、無事に下山してもらうのがいちばんです」
そして最も大事なのは、高尾山だからといって決してナメてかからないこと。しっかり計画を立て、準備を整えて臨んだとしても、冒頭で検証した事例の当事者のように、心のどこかに慢心があれば、それがアクシデントを招いてしまうこともある。
世界各国からインバウンドが訪れる有名観光地として見るのではなく、ときに人間の力が及ばない自然が支配する“山”だと捉え、しっかりリスクマネジメントを行なったうえで高尾山を楽しんでいただきたい。
*参考資料「高尾山マガジン」


