どんな広告でお客さまを呼び込むか

集客のやり方も、数字を見ながらつくり変えていきました。

立ち上げ当初はGoogle広告の“一本足打法”、つまり広告費の100%を検索広告に投じていました。ところが事業の拡大とともに広告費は膨らみ、Googleの検索からだけでは頭打ちになっていきます。

そこで私たちは、配分そのものを見直すことを提案しました。

Google広告を50%まで絞り込み、FacebookやInstagramなどのMeta広告へ40%を投じて潜在層に届け、SNS広告へ10%を投じて認知を広げる――一本足の打法を、三本柱へと組み替える設計です。

今すぐ検索する人だけでなく、まだ中古車を意識していない層にも網を広げる。

狙いどおり、広告費の総額を抑えながらも新規顧客の数はむしろ増えていきました。

ネットはリアルがあってこそ生きる

私たちがもうひとつ強く打ち出したのが、「ネットは、リアルがあってこそ生きる」という考えでした。

どれだけ精緻に広告を回しても、来店した先の店舗が信頼されていなければ、最後の一押しは効きません。

検索やマップで店舗を見つけた人がまず目にするのは、Googleビジネスプロフィールに並ぶ評価と口コミの数です。

当初、ある店舗の口コミはわずか8件でした。

そこで、来店客への声かけや、満足度の高い接客の徹底を現場で地道に積み重ね、この数を32件、じつに4倍へと引き上げたのです。

ネット上の評判が厚くなるほど、サイトから店舗への送客は成約に結びつきやすくなります。オンラインの集客力と、オフラインの信頼が噛み合った瞬間、「ネット×リアル」の融合は、はっきりと数字になって表れ始めました。

自動車販売店でノートパソコンを使っている女性
写真=iStock.com/Milan Markovic
※写真はイメージです

社内人脈の不足は、上司の力を借りて補いました。

上層部に対しては、こうして積み上げた数字と実績を示しながら、同時に自分の思いも正面からぶつけました。

「この事業を、なぜ今やるのか」。

理(データと仕組み)と情(人を動かす熱)の両輪で、動かなかった歯車が、一つ、また一つと噛み合い始めていきました。