肉類過多や油過多の食事は寿命が縮む
代謝に詳しい友人に「糖質制限をしても、肉類過多や油過多の食事を続けていれば寿命が縮む」と聞いたときには、さもありなんと納得したものです。
初めてファスティングの存在を知ったのは、低糖質ダイエットを始めてから4年がたち「このままでいいのか」と悩んでいた2020年5月のことでした。コロナ禍でオンラインミーティングをしていたときに、老化研究を専門とする仲間から「ファスティングは健康寿命を支える代謝を動かす」という研究の話を耳にしたのです(※2)。
紹介してもらった論文はいずれも世界最高峰といわれるジャーナルに掲載されたもので、そのエビデンスには強い説得力がありました。
しかし、科学的エビデンスが実際に自分に当てはまるかどうかは、やってみないとわからないところがあります。例えば、ある薬がよく効く人もいれば、効かない人もいるというのと同じです。「ならば自分で試してみよう」と思い立った私は、さっそくその日から実験的にファスティングを始めました。
食事を抜くことで仕事がはかどる
初めて水と塩だけで過ごした4日間のことは、いまでも忘れられません。論文を読んで大きな危険がないことは理解していましたが、実際に自分で体験するのは初めてです。「大丈夫だろう」という気持ちと、「未知の領域に入る」ことへの緊張感が入り混じった状態での挑戦でした。
いざ始めてみると、お腹は空かないし、死ぬどころかすこぶる元気に生きている。いつも通りに食べないことからくる虚しさから「ああ、食べたいなぁ」という思いはありましたが、空腹感がないので我慢できないような辛さは感じませんでした。
身体に力が入らなかったり、意識が朦朧としたりするかもしれないとも予想していました。ところが、恐れていたような不調は拍子抜けするほど感じませんでした。内観・内省的になって神経が研ぎ澄まされた感覚があり、集中力が増して仕事がやたらとはかどりました。食事に費やす時間や調理や片づけの時間を加えると、1日にゆうに2時間も余裕ができることにも新鮮な驚きがありました。


