好きなものを食べていたら60→90kgに…

結婚を機に食卓が豊かになり、好きなものを好きなだけ食べるようになると、60kgだった体重はあっという間に1.5倍に増え、90kgを超えました。BMIは30近くで、体重増加は頭打ちになりました。

急激に身体が大きくなったため、妊娠線みたいな肉割れができてしまいました。高血圧を抑える薬の処方を受け始めたのは、カリフォルニア州サンディエゴで研究留学生活を送っていた32歳のときのこと。薬を処方してもらう条件として「食事に関する指導」を受けました。他の受講者は年配の方々ばかりで、私は恥ずかしさに身を縮めながらセッションに耳を傾けていました。

エコー検査では脂肪がたっぷりついた肝臓が白く浮かび上がっていて、心臓が時折不規則に拍動するたびに“死”が頭をよぎりました。脂肪と筋肉量をもとに算出される体年齢は40代で、外見も実年齢よりずっと老けていたと思います。一念発起し、サラダを中心にした食生活とジム通いで、ある程度の減量に一度は成功しました。

ところが大学の研究室を主宰するようになると、資金調達やメンバーの指導、授業、研究などで多忙を極め、過密スケジュールによる疲労と慢性的な睡眠不足(睡眠負債)が積み重なって、ストレスから食べる量もお酒の量も増えていく一方。出張先での会食の機会が多くなったことも暴飲暴食に拍車をかけ、再び肥満体に逆戻りしてしまいました。

10kgの減量に成功したものの胃腸を壊す

連日の食べ過ぎと飲み過ぎのため胃腸はいつも疲れ気味で、朝は食欲がないことが多かったです。それでも当時の私は「疲れているからこそ、エネルギーを摂らなければ」と、せっせと食事やおやつを食べ続けました。

もちろん頭の片隅には「いつ心筋塞や脳卒中で倒れるかわからない」「痛風や糖尿病になるかもしれない」という不安や恐怖、そして自分の理想とはほど遠い“見た目”に対する悩みもありました。何とかせねばと、水泳などの運動やヨガにも励みました。

水泳
写真=iStock.com/vijaifoon
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しかし、体重や体調は一時的に変化しても維持できず、満足できる状態にはなりませんでした。不安と悩みを抱える日々の中で、知人から教えてもらったのが「朝食抜きダイエット」と「バターコーヒー・ダイエット」でした。効果は抜群で、日中の糖質摂取を控えることもあわせて10カ月で10kgの減量に成功したのです。

ところが当時の私は「糖質を減らすだけで、あとは食べたいものを好きなだけ食べる」という、いま振り返るとかなり享楽的な食べ方でした。体重は70kg前後を維持していたものの胃腸の調子が悪く、お腹をこわすこともよくありました。