「AI9割:人間1割」の分業でいい
構成ができたら、次はいよいよ本文だ。ここで私が推奨するのは、「AI9割:人間1割」という比率での分業だ。
まず構成に基づいて、各パートのドラフトも書かせよう。「この構成に沿って、3000文字程度で各章の本文を書いて。」などと指示を出せば、AIは即座にそれなりの文章を仕上げてくれる。
まずは、これをたたき台としよう。この時点であまり完成度を求めすぎてはいけない。
多くの人はAIの文章を見て「ありきたりだ」「魂がない」などと批判するが、AIがつくるたたき台は60点でいい。ここで必要なのはあくまで種(シード)だからだ。
AIが書いたたたき台を読んでいると、「これは自分が言いたかったことだ」と気づくことがある。頭の中でモヤがかかっていた考えが、初めて輪郭を持って現れる瞬間だ。
さらには「自分ではここまで考えていなかったが、AIが提示したこの視点も正しい」と感じることもある。AIは単なる代筆者ではなく、あなたの思考を引き出し、ときにはあなた自身が気づいていなかった考えまで言語化してくれるのだ。
無機質だったAIに人間味をプラス
まずは全体の9割をAIにつくらせたら、残りの1割はあなたの出番だ。AIがつくった無難な文章に対し、あなたにしか書けない以下のような要素をトッピングしていく。
● 体験談(Experience)
「実は先週の会議で……」といった一次情報
● 感情(Emotion)
「悔しかった」「感動した」といった生身の感情
● 独自の視点(Perspective)
一般論ではない主観的な意見
AIの論理的に正しい骨組みと堅実なテキストの隙間に、あなたの生々しさや熱い思いを注入するのだ。すると、無機質だったAIの文章が、急に生き生きとした「あなたの文章」へと変貌する。
骨格づくりと文章作成の9割はAIがやり、最後の1割の仕上げを人間がやって文章に命を吹き込む。労力は10分の1だが、その成果物は論理的なうえに人間味もあり、仕上がりは100点満点だ。
「AIに丸投げすると、どこかで聞いた一般論をなぞったような文書にしかならない」
このような不満を持つ人には、この「最後の1割」の要素が欠けているにすぎない。
この「9対1」スタイルは、ゼロからイチを生み出すという最もストレスフルな作業がないので、メンタルが圧倒的に楽である。
たとえそれが30点、40点の出来でも、目の前にたたき台があるのは非常に大きな安心材料である。すでに書かれている文章を直すことのハードルは、イチから書くよりはるかに低いからだ。
まずはAIに「○○というテーマで、構成案を三つ考えてみて」と投げかけるところから、あなたの新しい執筆ライフが始まる。

