ただし、辛抱強く様子を見ながらも、小さなチャンスは逃さない。調べものを頼まれたら、必ず締め切りを確認して少しでも前倒しで片付ける。イベントや勉強会などの立案ができそうならば上司に相談、裁量権のある人たちをどんどん巻き込む。一つの案件が終わっても「あの患者さんはどうなりました?」といったふうに、いつも患者と医師を気にかける。目立つより無難であることを心がけながら、いかに小さな信頼をつないでいくかが大切なのだ。

「今の病院に来て2年が経ち、何となくこれでよかったのかなという気持ちが芽生えてきました。賞は素晴らしい制度ですが、私は入社したときから年度ごとに自分の目標がクリアできたかに重きを置いてきたんです」

ポジティブに攻められる能力を持ちながらも我慢強い――そんな人材が国立病院で結果を出せるのだという。

■服装や靴の選び方…仕事場が病院内なので、あまり目立たず、動きやすいパンツスーツを愛用している。靴は歩きやすくヒール音が出にくいパンプスを。

■お客様との接し方…現在は、公務員の先生を担当しているので、特におつき合いはなし。今の病院を担当する前は上司と相談しながら、適宜行っていた。

■セクハラ防衛法…上司やミラーの担当者に相談して、対処法を検討する(ミラーというのは、一緒に行動しているペアの営業のこと。すべてのMRがこのスタイルで動いている)。

■ONとOFFの時間…極力、休日はパソコンを開かないようにしている。また、仕事以外で集中・没頭できることを行う。

■自分のセールス点…よくも悪くも無難なところ。公私ともに、常にバランス・調和を心がける。

(大杉和広=撮影)