親にできる最後の親孝行とは

岡山容子『毒親を在宅で見送った緩和ケア医が伝える 関係のよくない親を看取るということ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
岡山容子『毒親を在宅で見送った緩和ケア医が伝える 関係のよくない親を看取るということ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

実は、私も特に親の通院や入院の際には、仕事を休んで面倒を見にいかなくてはならず、月収が大幅に減ったことがあった。さらに私の子どもが乳児だったころは、親の病院に一緒に連れていけないため、高額な一時保育に預けざるを得ず、出費がかさんだこともある。しかし「親にお金を出してもらうのも……」と気後れし、請求することができなかった。不公平感や不満をため込んでしまうより、いっそお金をもらった方がすっきりできるかもしれない。

「親からお金をもらってはいけない」「親に恩を返して当然だ」――。親に対するそんな遠慮や美徳が、結果的に自分を追い詰め、きょうだいへの怨嗟に変わってしまうとしたら、これほど不幸なことはない。親が死んだ後も、子どもは生き続ける。きょうだいの人間関係は続いていく。生き残ったきょうだいが恨み合わないでいられるためにどうすべきか。後悔しない親の看取りを考えることは、親にできる最後の親孝行なのかもしれない。

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