皿洗いにはストレス解消効果がある
2015年にアメリカ・フロリダ州立大学のアダム・ハンリー博士が非常に興味深い研究発表を行いました。(*1)
みんなが嫌うはずの「皿洗い」に、著しいストレス解消効果があることがわかったというのです。ただし、気持ちを集中させ、フロー状態になってやるのがポイント。不承不承ではダメなのです。
博士は、51人のグループを2つに分け、一方のグループには「皿洗いの手順だけを書いた指示書」を、もう一方のグループには「気持ちを込めて皿洗いをするための指導書」をそれぞれ読ませてから皿洗いをさせました。
後者が読んだ指導書にはこんな内容のことが書かれていました。
「皿洗いなんてつまらないと思わず、自分が皿洗いしていることをしっかり意識し続けること。立って皿を洗う自分は素晴らしい。自分の呼吸、存在、行動を感じよう。すると、自分がふわふわと周囲に流されている存在ではないと思えるはずだ」
そして、皿洗いの前後の気分の変化を測定すると、後者にのみ「いらだち」の感情が軽減する効果が見られたというのです。
(*1) Hanley, A.W., Warner, A.R., Dehili, V.M. et al. Washing Dishes to Wash the Dishes: Brief Instruction in an Informal Mindfulness Practice. Mindfulness 6, 1095–1103 (2015). https://doi.org/10.1007/s12671-014-0360-9
皿洗いが“休息”になるかどうかは捉え方次第
このことから博士は、皿洗いなどの単純作業でも、はっきりした目的意識を持って臨めば精神的にいい効果があり、幸福感や満足感が得られることがわかったと報告しています。
どうですか? 皿洗いもやり方によってはいい休息になるのです。
家に帰って台所のシンクに汚れた食器が積んであったら、「ラッキー」と思いましょう。テレビの前に座り込んでいないで、気持ちを込めて1枚1枚洗いましょう。そんな自分自身の存在や、シャボンや水の手触りも楽しみましょう。そして「きれいになっていくのは、気持ちいいなあ」と実感してください。
「うわ、嫌だ。皿洗いなんて大嫌い」と思っていたらますますイライラしていきます。
同じ作業であっても、あなたの考え方次第で、大きなストレスの原因にもなるし、休息の時間にも変えられる。
これは、大真面目な研究が明らかにしていることなのです。



