「燃え尽きる人」に共通する思考パターン
再雇用後に意欲を失っていく方には、ある共通した思考パターンがあります。それは、承認欲求を「過去の地位・役職」で満たそうとすることです。
「以前は部長だった」「あの頃は自分が中心だった」という基準で現状を測るため、今の自分がどれだけ小さく見えるか、他人からどう映るのかだけが気になってしまいます。そして、遠慮なのか、プライドなのか自分から動くことはせず、「声をかけてもらうのを待つ」スタンスになりがちです。
また、仕事の価値を賃金や評価と結びつけて考えてしまうため、給与が下がった時点で「この仕事には意味がない」と感じてしまいがちです。若手の仕事のやり方には不満だが、口出しもできず、頼られないと「認められていない」とすぐに感じてしまう、という傾向も見られます。
こうした状態が続くと、職場での孤立が深まり、最終的にはメンタルの不調にまでつながることがあります。
「挨拶は年下から」と自分から声をかけない
燃え尽きていく方に共通してもう一つ見られるのが、「挨拶は年下からするのが当たり前」という意識です。
長年、職場の上位にいた方ほど、挨拶とは目下の者が先にするものという感覚が染みついています。若手がきちんと挨拶してこないと「礼儀がない」と腹を立て、自分からは声をかけない。その結果、周囲との間に見えない壁ができていくのです。
しかし、再雇用後の立場でその意識を持ち続けることは、自分自身にとって大きなマイナスになります。若手社員からすれば、挨拶のない先輩社員は「近づきにくい人」に映るだけです。声をかけにくい、相談しにくい、という印象が定着すれば、仕事を頼まれることも自然と減っていきます。
職場における挨拶は、礼儀の問題である以前に、人間関係を自分からひらくための行動です。「おはようございます」「お疲れさまです」というひと言を自分から発することで、相手との間に小さな橋が架かります。それが積み重なって、「話しかけやすい人」という印象になり、やがて「相談したい人」という評価につながっていきます。
必要とされ続けている60代の方を見ていると、職場で一番よく挨拶しているのは、実はそういった方々だということに気づきます。肩書きに関係なく、自分から先に声をかける。それだけで、職場における存在感はまったく変わってくるのです。

